メニュー

こどもの中耳炎・鼻炎・かぜ

お子さんの治療についての当院の考え方

当院は、診察時の処置でお子さんの鼻水をしっかりと除去することを重視しています。鼻は耳とつながっており、鼻炎がくすぶることで中耳炎の難治(治りくにい)に繫がるためです。鼻の処置は、はじめは嫌がるお子さんもいますが、多くの場合、慣れてくると嫌がらずに出来るようになります。

鼻炎の治療において、病気の原因を除去することが、早く治って頂くために大切です。
お子さんが痛がらない処置、嫌がらない処置のみを行うという考え方もあると思います。
しかし、当院は、お子さんの鼻炎が早く治ってほしいという一心で、必要な処置をきっちり行うというコンセプトのもと、治療に取り組んでいます。
治療を無理強いすることで通院を嫌がり、逆に耳・鼻の病状が悪化しないように、お子さんが耳鼻科嫌いにならないような配慮も当院では行っています。
ご理解のほど、よろしくお願いします。

こどもの鼻炎(くしゃみ・鼻水・鼻詰まり)

お子さんのくしゃみ・鼻水・鼻詰まりを起こす主な病気には、アレルギー性鼻炎・急性鼻炎・副鼻腔炎(ちくのう症)などがあります。

アレルギー性の炎症・ウイルスの感染・細菌の感染では、治療に必要な薬が異なります。診断のうえ、風邪薬・抗アレルギー薬・抗菌薬などの処方を行います。また、ウイルス・細菌の感染による鼻炎の場合は、鼻水を丹念に除去することが早期の治癒につながりますので、丁寧な外来での処置を心がけています。

時に、アデノイド肥大(鼻の奥にある咽頭扁桃が大きい)が潜んでいることがあります。この場合、入院・手術をしないと鼻詰まりが治らないこともありますので、こうした病気の見極めも必要です(手術が必要な場合は、他院に紹介させていただきます)。

こどもの中耳炎(耳の痛み・聞こえにくいなど)

耳と鼻とは、耳管(じかん)という管を通してつながっています。

お子さんが中耳炎に罹りやすいのは、耳管の機能が未熟である

  • 鼻のバイキン(細菌やウイルス)が、耳に移行しやすい
  • 鼻炎(鼻水・鼻詰まり)から簡単に中耳炎に進行する

ということが原因です。

お子さんの中耳炎は大きく分けて

  • 急性中耳炎(鼓膜の裏にウミがたまって痛みを伴う中耳炎)
  • 滲出性中耳炎(鼓膜の裏に液がたまって聞こえにくくなる中耳炎)

の2種類があります。

正常
正常:透き通った正常鼓膜です。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎:褐色の液が鼓膜の裏に溜まっています。
急性中耳炎
急性中耳炎:鼓膜が白く濁り、膨れています。

急性中耳炎

一般に抗菌薬を用いて治療を行います。重症例(痛みの強い場合や熱が続く場合など)では、鼓膜を切開してウミを除去します。

滲出性中耳炎

  • 通気(医療用の風船を使って、鼻から耳に風船で空気を通す治療を行います)
  • 内服治療(抗菌薬や痰切りの薬などが用いられます)
  • 鼓膜切開し、鼓膜にチューブを留置する

などの治療を行います。

鼻水・鼻詰まり(鼻炎・副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎)の悪化が、滲出性中耳炎が治りにくくなる原因です。鼻水・鼻詰まりの治療も重要です。
症状の少ない病気(少し聞こえにくい程度)ですので、治療の効果を実感しにくい病気です。しかし、放置しておくと、癒着(ゆちゃく)性中耳炎など、将来、手術が必要な病気に進展する可能性があり、注意が必要です。
当院では、鼓膜の画像をお見せするなどして、親御さんが納得する説明を心がけています。

こどもの咳・痰・のどの痛み

  • 風邪
  • 後鼻漏(鼻からのどに鼻水が流れる)に伴う咳
  • 気管支炎
  • クループ(ウイルスによる空咳)
  • 喘息
  • マイコプラズマ感染症
  • 百日咳などの特殊な病原菌による感染

などがあります。

診断のために、迅速検査(のどを綿棒でこする検査)や採血を行うことがあります。
また、重篤な肺炎などの病気を起こしていないかも見極める必要があります。
また、のどの痛みを起こす疾患として、溶連菌感染症(A群β溶血性連鎖球菌の感染)があります。抗生剤をしっかり内服しないと、急性糸球体腎炎などの合併症を起こすことがあります。治療後には尿検査もしておいた方が安心です。

こどもの発熱

耳・鼻・のどの病気から起こる発熱には、
急性中耳炎・急性鼻炎・副鼻腔炎・インフルエンザ・アデノウイルス感染症・溶連菌感染症 などがあります。

お子さんの発熱に関して、親御さんは、小児科・耳鼻咽喉科のどちらを受診すべきか迷われる場合があるかと思います。
一般論ですが、耳・鼻・のど症状(のどの痛みなど)のある発熱の場合、耳鼻咽喉科を受診すべきです。
逆に、耳・鼻・のど症状がない、元気がなくてぐったりしている、などの場合は小児科を受診された方が良いです。
判断に困る場合、受診していただければ必要に応じて近隣の小児科への紹介も行います。

耳鼻咽喉科に関する記事一覧

ページトップ