舌下免疫療法
花粉症は治らない?
80%以上の方が効果を実感!舌下免疫療法!
実は花粉症にはたくさんの治療法があります。
花粉症の治療法は大きく分けると対症療法と根治治療に分かれます。対症療法・根治治療にもそれぞれいくつかの種類があり、花粉症には下記のようにたくさんの治療法があります。
対症療法
治療法 | 特色 | 効果 | |
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薬物療法 | 初期療法 | 花粉が飛散する1~2週間前から抗アレルギー薬を使用することで、花粉飛散期の症状を軽できます。 | ①花粉飛散期の症状の出現を遅らせます。 ②花粉飛散量が多い時期の症状を軽くします。 ③併用する薬の種類や量、回数を少なくすることができます。 |
投薬療法 | 花粉飛散後に症状が出てから薬を使用することで症状を軽くします。花粉症のほとんどの方がこの治療法です。 | 症状を軽くします。 薬の種類によっては眠気や口の乾きなどの副作用が強く現れます。 |
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手術治療 | CO2レーザー治療 | 出力の弱いレーザーを鼻の粘膜に照射することにより、アレルゲン(花粉やダニ、家のホコリなど)に過敏になった粘膜の感受性を低下させる治療法です。 | 症状が大きく改善します。効果は通常1~2年持続しますが、粘膜が元に戻れば、症状が再発する可能性があります。 |
根治治療
治療法 | 特色 | 効果 |
---|---|---|
原因抗原の除去と回避 | 日常生活において、アレルゲンから回避することで症状を軽くします。 外出時にマスク・メガネを着用する、洗濯物を外に干さない、こまめに掃除をするetc. |
こまめに実行することで症状をかなり軽くすることができます。但し、日常生活を変える必要があるので継続することが難しい場合が多いです。 |
抗原特異的免疫療法 (皮下免疫療法・舌下免疫療法) |
花粉に対して徐々に免疫をつける治療法であるため、他の治療法と比較した場合、長期的にわたって治癒が期待できる治療法です。 | 体質が改善し、症状が現れなくなることもあります。但し、治療期間が長くなり、時には副作用を引き起こす可能性があります。(詳細は後述) |
抗原特異的免疫療法とはアレルゲンをごく少量から体内に投与し、少しずつ量を増やしながら繰り返し行い、アレルギーが起きないように体を慣らしていく治療法です。根本的な体質改善を期待する方法で、2種類(皮下免疫療法・舌下免疫療法)あります。
皮下免疫療法
アレルゲン(スギやヒノキ、ハウスダスト)を含んだ注射を低濃度から開始し、徐々に濃度をあげて注射します。急にあげると危ないからです。毎週1回の注射を12週間続けます。
その後は間隔をあけて毎月1回の注射を3年以上継続します。根気よく、計画的に通院していただく必要があります。また、アナフィラキシーといわれるアレルギー反応が起こる可能性もあります。(当院では現在行っておりません)
舌下免疫療法
日本では2014年10月からスギ花粉症に対する舌下免疫療法の保険診療が開始されました。アレルゲンであるスギのエキスを舌下に含み体内に入れます。低濃度から少しずつ増量し、高濃度に移行します。3週目以降は同量のスギのエキスを毎日舌下に含みます。通常、治療期間は3~5年必要です。
舌下免疫療法による効果
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりの症状が軽くなる、または消失する
- 涙目、目のかゆみの症状が軽くなる、または消失する
- 花粉飛散期のアレルギー治療薬の減量、または使用しなくてすむ
- 花粉シーズンの生活が楽になる(QOLの改善)
舌下免疫療法と皮下免疫療法の比較(当院では皮下免疫療法は行っておりません)
以下のように舌下免疫療法は皮下免疫療法よりもメリットが多いです。
舌下免疫療法 | 皮下免疫療法 | |
---|---|---|
投与方法 | 舌下に含む | 皮下注射 |
投与場所 | 自宅(初回のみ医療機関) | 医療機関 |
痛み | なし | あり |
副作用のリスク | ほとんどなし | 稀に重篤な副作用 |
治療期間 | 3~5年 | 3~5年 |
治療効果 | 7~8割の方が改善 | 7~8割の方が改善 |
舌下免疫療法はこのような方にお勧め
- 治療期間が長くても、スギ花粉に対するアレルギーがなくなることを望んでいる方
- 飲み薬やスプレーをしてもあまり効果がない方
- 眠気や口の乾きなど飲み薬の副作用がひどい方
- レーザー治療に抵抗がある方、または行っても症状が改善しない方
舌下免疫療法を行うにあたって知って頂きたいこと
- スギ花粉の治療法であるため、その他のアレルギーでは効果が期待できません。
- スギ花粉症専用のエキスを投与します。 ハウスダスト、ダニ、ヒノキ、カモガヤ…など、その他のアレルギー物質では効果は望めません。
- 舌下免疫療法により、全ての患者さんが完全に治るわけではありません。
以下のいずれかがあてはまる方は治療を受けることができません。
- 4歳以下の方
- 重い気管支喘息の方
- スギ花粉症が鼻炎の原因でない方
以下のいずれかがあてはまる方は治療に際して注意が必要です。
- アレルゲンを使った治療や検査、またはスギ花粉を含んだ食べ物によってアレルギー症状を起こしたことがある方
- 気管支喘息の方
- 高齢の方
- 妊婦の方、授乳中の方
- 抜歯や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
- 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
- 他に服用中のお薬がある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬 etc.)
- 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
- スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
舌下免疫療法の具体的な流れ
治療開始時期
安全性の面から、スギ花粉の飛散が始まる直前や飛散時期に治療をすることができません。
治療は5月中旬~11月の間にスタートします。(12月から5月初旬までは治療開始できません)
毎日投与
スギ花粉が飛散していない時期も毎日投与していただく必要性があります。
治療期間
最低でも3年以上は治療を継続してください。通常、治療期間は3~5年必要です。
治療費の目安
治療費は、診察料+アレルギー検査(採血)+お薬代(3割負担の方で年間11000円ほど)です。
院長からのメッセージ
舌下免疫療法について「スギ花粉症が完全に治る治療法!」と思われている方がたくさんいらっしゃいますが、舌下免疫療法はスギ花粉のエキスを体内に取り入れ、体に慣れさせることで花粉症の症状を軽くしたり、発症させなくする治療法です。
この治療法は花粉症がほぼ完治する場合もありますが、全ての方に有効というわけではありません。また、4歳以下の方は行うことができません。
治療を継続するためのコツはこの2つです!
- 毎日薬を服用するためのタイミングを1日の中で決める(お風呂を上がった時、歯を磨くときetc.)
歯磨きと一緒です。習慣にすると、違和感なくなおかつ、無理することなく治療を続けることができます。 - 1ヶ月に1回通院する曜日を決める(第2週目の土曜日etc.)