めまいの種類と治療法

中耳炎とめまい

中耳炎になったからと言ってすぐにめまいが発症するわけではありません。
ただし、中耳炎は繰り返したり、治療を途中でやめたりすると慢性化し、悪化した中耳炎からめまいをおこすことがあります。

そもそも中耳炎とはいくつかの種類に分けることができます。

種類 原因と症状
急性中耳炎 細菌やウイルスが耳管を通して感染することでおこる。
耳の痛み、発熱、耳だれなどがみられる。
滲出性中耳炎 中耳の炎症から滲出液がたまる。
聞こえが悪くなる、耳鳴り、耳だれなどがみられる。
慢性中耳炎 急性中耳炎を繰り返すうちに慢性化した状態で、鼓膜に穴があき、ふさがらなくなった状態。
難聴、継続的に耳から膿が出る。めまいを伴うこともある。
真珠腫性中耳炎 鼓膜の奥に耳垢がたまり塊となり、周辺の骨を破壊する。
初期段階では耳の痛み、耳だれ、聞こえが悪くなるなどの症状。進行すると塊が骨を破壊し、それに伴ってめまいや顔面神経麻痺がおこる。

一般的に中耳炎として広く認識されているのは急性中耳炎で、耳の痛みや発熱を伴い、ほとんどの場合は数日で症状が治まります。急性中耳炎は鼓膜の奥の中耳に、風邪をひくなどがきっかけとなり細菌やウイルスが感染し発症します。この急性中耳炎でめまいがおこることはあまりありません。
めまいを誘発する慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎は、急性中耳炎を繰り返したり、まだ急性中耳炎が完治していないにもかかわらず、症状が治まったからといって治療を停止したりすると発症します。また、慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎は完治させることが非常に難しい病気でもあります。
つまり、急性中耳炎になった際には耳の痛みや発熱が治まったとしても、まだ中耳にウイルスがいる可能性が高いので、最後までしっかりと治療し、その他の重篤な中耳炎に移行しないようにすることが重要です。

中耳炎によるめまいの原因

慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎によっておこる耳だれが続くと、内耳の働きが弱くなり、それに伴ってめまいや難聴、耳鳴りをおこしやすくなります。
初期段階ではめまいは軽いものがほとんどですが、グルグルとした回転性のめまいを繰り返すようになることもあります。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎自体が徐々に進行し、気づきづらい病気のため、めまいも同じように徐々に進行している場合があります。

中耳炎によるめまいの治療

めまいが激しい場合は症状を抑える薬を内服していただきます。まずは慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎の治療を行って行きましょう。原因となっている細菌が増えるのを抑えるために抗生物質を飲んだり、点耳薬を使用したりして治療して行きます。
症状によっては手術をおすすめする場合もあります。

中耳炎によるめまいの対処法

めまいや難聴の症状が進行する前に中耳炎の治療を根気強く行って行きましょう。めまいの症状がひどい場合は並行してめまい治療を行いますので医師と相談してください。

次ページ : めまいの検査