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長引く咳(咳喘息)

長引く咳(咳喘息) イラスト

長引く咳と鼻炎の関係

咳とは

呼吸器の病気の症状の一つに咳があります。その咳がなかなか治らずに長引いて悩んでいる方が多くいらっしゃいます。急性の咳の原因は風邪などのウイルスによる感染です。一方、慢性の咳は、感染症やアレルギーの他に消化器系の病気や心因性で起きることもあります。咳は本来、体に何かしらの異物や炎症による貯留した分泌物を体の外に出そうとする生体防御反応の一つです。何も原因がなければ咳が出ることはないので、何週間も咳が続く場合は「ただの咳」と放置せず、適切な治療をすることが必要です。

長引く咳の原因

病名 症状と特徴 咳のタイプ 多い年齢層
副鼻腔気管支症候群
(SBS)
慢性副鼻腔炎(ちく膿症)と鼻腔~気管支までの気道のどこかに慢性的な感染があります。 湿った咳 成人
後鼻漏 アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎が原因となり、鼻汁が喉に流れています。咳や痰が増えます。 湿った咳 小児
成人
胃食道逆流症
(GERD)
胃の内容物が逆流し、胃酸で食道が炎症を起こし、胸やけや食道炎となり、慢性の咳の原因となります。 乾いた咳 乳幼児
成人
百日咳、
マイコプラズマ
百日咳はコンコンと激しい咳が2~3週間続きます。マイコプラズマは乾いた激しい咳が出て肺炎を起こすこともあります。 乾いた咳 小児
成人
感染後咳嗽 風邪などの感染症が原因で、他の症状は治まっても、咳だけが長引いている出続ける状態。 乾いた咳 小児
成人
アトピー咳嗽 咳ぜん息と同様にアレルギー体質でぜん鳴のない乾いた咳が続くのが特徴です。ぜん息に移行することもあります。 乾いた咳 成人
心因性咳嗽 原因疾患がわからない場合やストレスによる場合、心因性咳嗽が考えられます。睡眠中は症状がないのが特徴です。 乾いた咳 小児~思春期

咳の検査

まずは乾いた咳なのか、痰が絡んだ湿った咳なのか、どのような咳なのか咳のタイプを調べます。アレルギーが疑われる場合では血液検査を行ったり、気道炎症を確認する検査(NO検査)、などを組み合わせたり、炎症を起こしている原因菌を特定する検査を行います。また副鼻腔炎などが原因であるようであれば副鼻腔CTを使用します。

咳の治療

咳は咳止めで治療するのではありません。咳止めは一時的に咳を止め楽になりますが、原因の改善をしているわけではありません。咳の治療はその原因疾患により異なりますので、例えばアレルギーが原因であれば抗ヒスタミン薬、喘息が原因であれば吸入ステロイド薬や気管支拡張薬、などを処方します。
副鼻腔気管支症候群(SBS)であれば、マクロライド系抗生物質を少量長期間処方します。抗生物質の服用を気にされる方がいらっしゃいますが、この場合のマクロライド系抗生物質は菌を殺すためではなく、免疫調節を目的として処方します。
逆流性食道炎であれば、吸入ステロイドは効果がありません。胃酸を抑える薬を処方し、胃酸の量を調節することで炎症を抑えます。

咳の治療は何が原因で咳が起こっているかを診断することが非常に重要です。2~3週間咳が続くようであればご相談下さい。

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